裏=影の努力を知ることが出来る

琉大附属中学校野球部マネージャー

2015-11-15

2014年全国選抜高校野球大会で、沖縄尚学高校と対戦した白鴎大学附属足利高校(栃木県)を覚えているだろうか。

赤嶺謙主将以下、県勢ナインと対峙した比嘉新(あらき)投手の妹が、琉大附属中学野球部でマネージャーを務めてきた比嘉結野さん(3年生)だ。

「兄を熱心に誘って下さったのですが、家族で熟考した結果お断りを入れようと、兄は栃木へ出かけていったのですが。」親と訪れたところ、設備の素晴らしさなど改めてその目で見て「お世話になります」と傾いていったのだという。

結果、秋の関東大会で優勝し明治神宮野球大会へ出場、そして球児たちの夢である甲子園の土を踏むことが出来たのだから成功だったといえよう。

その兄が学童野球、そして中学硬式(ポニー)野球で活躍する姿を、応援し続けてきた結野さんは中学でも野球に関わるかと思いきや、当初はそうではなかった。「マネージャー職があるのかどうか分からなくて」。

友達に誘われバレー部の入体験に訪れてはみたものの、どうしようかなと考えながら歩いていた横に野球部の部室があり、知人であった先輩と話をするうちに「マネージャーとして野球部に入れると知った」。

「いつも気のきく優しい子」と、担任の神谷先生も評する結野さん。

ひとつ上の先輩マネージャーたちにイロハを教えてもらいながらも「さらに自分でアレンジしていく工夫と努力があった」と、兼城監督も感嘆するほどに成長していった。

それは彼女の次の言葉でも分かるほど。「マネージャーとしての苦労ですか?う~ん。

私たちの野球部は、良い意味でやんちゃな子が多くて(苦笑)。きついなとか悩む暇が無かったので、考えたこともありません。」そんな結野さんだからこそ、ナインたちも彼女の存在がありがたい。

何もない普段の練習が終わったときだった。突然、結野さんの前に並んだナインが「いつもありがとう!」と頭を下げた。その直後、不意をつかれた結野さんの頬に嬉し涙がこぼれていった。

誰もが認める一人のムードメーカーが、試合でガチガチになったナインを前にラップ調で語りかけて笑いで緊張を解く場を見たり、3年間の野球部生活を終えた同級生たちと自転車に乗って奥武島まで行って天ぷらを食べに行く予定を立てるなど、マネージャーでなければ経験出来ない特権が結野さんをいつも包み、彼女の笑顔を作り出していった。

「試合になったら、周りは選手の結果に一喜一憂しますよね。でも私は、ヒットを放ったその選手がいつもバットを振ってきた裏の努力を見ている。それがヒットだったりタイムリーに繋がったときの嬉しさは、マネージャーだからこそ感じることが出来るものです。

日々をともに過ごしてきた琉大附属中野球部は私の大切な存在です。」

 

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